母の日に、はじめてバッグを贈った日のこと。【第14話】

母の日に、はじめてバッグを贈った日のこと。【第14話】

ありがとうが、少しだけ形になった思い出

5月が近づいてくると、
毎年なんとなく、母の日のことを考えます。

何を贈ろうか。
今年はどうしようか。
そんなことを考えながら、
毎年のように思い出す出来事があります。

それは、僕が大学1年生のとき、
はじめて母の日にバッグを贈った日のことです。

実家を離れて、はじめて気づいたこと

高校3年生までは、
ずっと実家で暮らしていました。

でも大学に入るタイミングで、
神戸で一人暮らしを始めることになって、
4月から生活が大きく変わりました。

新しい街。
新しい部屋。
新しい毎日。

慣れないことばかりで、
自分のことだけで精一杯だったようにも思います。

でも、そうやって少しずつ暮らし始めてみると、
それまで当たり前だったことの多くが、
当たり前ではなかったのだと気づかされました。

洗濯をすること。
ごはんを用意すること。
家のことを整えること。
体調を気にかけてもらっていたこと。
何も言わなくても、
先回りするように支えてもらっていたこと。

離れて暮らし始めて、
ようやく見えてくるものがありました。


はじめて母の日にバッグを贈った記憶

たぶん、大学生活が始まって
一か月ほど経った頃だったと思います。

母の日が近づいてきたときに、
何か贈りたいな、と思いました。

すごく高価なものだったわけではありません。
有名なブランドだったわけでもありません。

でも、
「これ、母に似合いそうだな」
そう思えるバッグに出会って、
そのときの自分なりに、
ちゃんと考えて選んで贈ったことを覚えています。

そのバッグを受け取った母が、
とても喜んでくれました。

その記憶は、
今でもかなり鮮明に残っています。

母親というのは、
子どものことを本当によく見てくれていたのだと思います。

毎日、当たり前のように。
大げさに言うこともなく。
でも確かに、
すくすく育つようにと
ずっと目を向けてくれていた。

そんな存在だったのだと、
家を出てからあらためて感じました。

一方で、
母にとっては、
僕が家を出たことで、
ぽっかり穴があいたような感覚も
少しはあったのかもしれません。

それまでは家にいた息子が、
18歳になって急にいなくなる。

もちろん、子離れとか、成長とか、
そういう言葉で表せる部分もあるのだと思います。

でも実際には、
もっと言葉にしにくい変化だったのではないでしょうか。

言葉にしづらい「ありがとう」が、少しだけ形になった

だからこそ、
あのときの母の日に
バッグを贈れたことは、
僕にとっても、
とても大切な思い出になっています。

普段はなかなか言えない
「ありがとう」を、
少しだけ形にできた気がしたからです。

特に男の子は、
ある程度の年齢になると、
母親に向かって
素直に感謝を伝えることが
少し照れくさくなる時期がある気がします。

今もそうかもしれません。

それから25年、今でも、
面と向かって「ありがとう」と言うのは、
やっぱり少し照れます。

でも、
18歳のときに一度、
バッグという形と一緒にその気持ちを届けられたことは、
自分の中でひとつ救いのような記憶になっています。

母がそのバッグを持っていた日の嬉しさ

しかも後になって、
母がそのバッグを持って
買い物に出かけている姿を見たことがありました。

そのときは、
なんとも言えず嬉しかったです。

ああ、ちゃんと使ってくれているんだな。
あのとき選んだものが、
ただの贈り物で終わらず、
母の日常の中に入っていったんだな、と。

贈ることそのものも嬉しいのですが、
贈ったものが
その人の暮らしにすっと馴染んでいくのを見るのは、
また少し違う嬉しさがあります。

今のものづくりにつながっているのかもしれない

もしかすると、
今こうしてバッグや革小物を作る仕事をしていることも、
あの頃の記憶と
どこかでつながっているのかもしれません。

誰かに似合うものを考えること。
気持ちを届けるために選ぶこと。
使ってもらえて、
その人の日常に溶け込んでいくこと。

そういうことが、
僕は昔から好きだったのだと思います。

だから、母の日が近づくこの時期は、
毎年少し特別です。

母の日の贈りものは、意外と難しい

ただ、母の日の贈りものは、
簡単そうでいて、
実はとても難しいこともあります。

特にうちの母は、
けっこう正直です。

自分の好みと違うときは、
「ちょっと違うんじゃない?」
と率直に言うタイプです。

これまでにも、
何度か失敗したことがあります。

だから選ぶときは、
どうしても慎重になります。

気持ちがこもっていれば何でもいい、
というわけではないことを、
身をもって知っているからです。

やっぱり大切なのは、
その人に合っていること。
ちゃんと使いたくなること。
無理なく暮らしの中に入っていけること。

そう考えると、
母の日の贈りものは、
「驚かせるもの」よりも
「寄り添えるもの」のほうがいいのかもしれません。

今のお財布に寄り添うMOLLEAという存在

今回、母の日に向けて
あらためていいなと思っているのが、
MOLLEA(モレア) です。

このアイテムは、
いわゆる「財布を完全に置き換えるもの」
として作ったわけではありません。

むしろ、
今すでにお気に入りのお財布を持っている方にも、
そのお財布とは別の形で
寄り添えるものとして考えました。

財布って、
意外とこだわりが強いものだと思います。

長年使い慣れたものがあったり、
形や開き方に好みがあったり、
どうしても譲れないポイントがあったり。

だからこそ、
母の日にお財布そのものを贈るのは、
少しハードルが高いこともあります。

でもMOLLEAは、
今使っているお財布を否定せず、
そのすぐそばで役に立てるものです。

通帳やカードも入る、ちょうどいい革小物

たとえば、
カードが少し増えたとき。
通帳を入れて持ち歩きたいとき。
お財布には入りきらないけれど、
きちんとまとめて持っていたいものがあるとき。

そんな場面で、
ただの財布でもなく、
ただのポーチでもない、
ちょうどいい存在になれたらと思っています。

しかも、
今のMOLLEAは一枚革で仕立てていて、
革そのもののやわらかな風合いも
感じていただきやすくなっています。

イタリアンレザーのやさしい手ざわり。
革の表情。
少しずつ馴染んでいく感じ。

そういうものも含めて、
どこかあたたかさを感じてもらえる
アイテムになったら嬉しいです。

母の日は、言葉の代わりに気持ちを届ける日かもしれない

大きな言葉を伝える日というよりも、
普段なかなか言えない気持ちを
そっと形にする日なのかもしれません。

ありがとう。
元気でいてね。
無理しすぎないでね。

そんな言葉を、
全部きれいに口にしなくても、
贈りものが少しだけ代わりに伝えてくれることがあります。

あの日、
大学1年生だった僕が
母にバッグを贈ったように。

気持ちはあるのに、
言葉にはしづらい。
でも、ちゃんと届けたい。

そんなときに、
バッグや革小物は
とてもやさしい役目をしてくれる気がしています。

今の暮らしに、そっと寄り添う贈りものを

もし今年の母の日に、
何を贈ろうか少し迷っている方がいらっしゃったら、
「今持っているものを置き換える」のではなく、
「今の暮らしにそっと寄り添えるものを足す」
という考え方も、
ひとつあるのかもしれません。

MOLLEAが、
そんな贈りもののひとつになれたら嬉しいです。

⚫︎大切な方への贈りものにご利用いただける、無料のギフトラッピングサービスです。https://bateauetmontagne.com/products/gift-wrapping

ブログに戻る