桜のあとに残るもの。【第13話】

桜のあとに残るもの。【第13話】

前回のブログから、二週間ほどが経ちました。

春の余韻がまだ残っているうちに、
書いておきたいことがありました。

第11話では、
神戸・岡本のHiRINさんで
POP UPを開催させていただくことを書きました。

ちょうど桜の季節だったこともあり、
もしお時間があれば、
岡本南公園、通称「桜守公園」にも
足をのばしてみてください、
そんなことも綴っていました。

そのあと、第12話では、
CORDON PIENUSというフラットシューズについて、
もう少し踏み込んで書いてみました。

スニーカーの楽さはほしい。
でも、足元はもう少しきれいでいたい。

服は整っているのに、
足元だけ、少しだけ違う。
そんな日があるように思います。

通勤。
子どもの送り迎え。
そのあとに仕事や、誰かと会う予定まである日。
そんな日常の中で、
楽なだけではなく、
きれいめな服にも自然になじむ靴がほしかった。

その思いから生まれたのが
『CORDON PIENUS』でした。

そして今回は、
その靴を実際に選んでくださっているお客様と、
POP UPでお会いできたことについて
書いてみようと思います。

思いを込めて作ったものが、
誰かの日常の中で
どんなふうに馴染んでいくのか。
それを目の前で見せていただけた春でした。


葉桜の公園で、春の続きを

僕自身も、4月12日に
岡本南公園へ行ってきました。

ちょうどPOP UPの最終日です。

桜は、満開の時期を少し過ぎていて、
あたりは葉桜になっていました。

でも、それがまた
とてもきれいでした。

花が主役の華やかな景色とは少し違って、
若い緑が混ざりはじめた木々には、
春が静かに次の季節へ向かっていくような
やわらかな空気がありました。

ベンチには、
カップルの方が並んで座っていたり、
お友だち同士が笑いながら話していたり。

楽しそうな声が、
公園の中にふわっと広がっていて、
その景色を見ているだけで、
ああ、春ってこういうことかもしれないな、
と思いました。

皆さまの2026年のお花見は、
どんな時間だったでしょうか。

お弁当を持ってゆっくり過ごした方も、
通りがかりに少し見上げただけの方も、
いらっしゃるかもしれません。

満開の桜をしっかり見に行く年もあれば、
忙しくて、気づけば
少し時期を過ぎていた年もあると思います。

でも、葉桜の下で聞こえてきた
楽しそうな会話を聞いていたら、
春は花の見頃だけではなくて、
そのあとに残る時間まで含めて
春なのだと思えました。


POP UPでお会いできた、お客様

そんな春の余韻の中で、
今回のPOP UPでも
印象に残る出会いがありました。

仮名:ゆかりさんです。

ゆかりさんは、
お友だちと一緒に
HiRINさんへ来てくださいました。

お会いした瞬間から、
店内の空気が少し明るくなるような、
そんな方でした。

あとでお礼メッセージにもお伝えしましたが、
本当に「明るい!おしゃべり!最高です!」
という言葉がぴったりで、
終始ワイワイしたムードの中、
こちらまで楽しい気持ちにさせていただきました。

何より印象的だったのは、
バトーエモンターニュの『ENSEMBLE de CORDON』
バッグと靴をセットで合わせてくださっていたことです。

その姿が本当に自然で、とても素敵でした。

上品さはあるのに、
気取りすぎていない。
きれいだけれど、
どこかやわらかい。

僕たちが作りたいと思っていた空気を、
そのまま纏ってくださっているようで、
とても嬉しかったのを覚えています。


「初日からノンストレスでした」と言っていただけたこと

POP UPのあと、
ゆかりさんからいただいたメッセージを読んで、
あらためて嬉しくなった言葉がありました。

「レザーのシューズなのに
ノンストレスで初日から履ける靴って
なかなか出会ったことがありません」

この一文でした。

革の靴というと、
少し馴染むまで時間がかかるもの。
最初は少し我慢が必要なもの。
そんな印象を持たれている方も
多いと思います。

だからこそ、
この言葉は本当に嬉しくて、
ああ、この靴が目指していた着地は
ここだったのかもしれない、
と思いました。

しかも、少し前まで
シルバーのドライビングシューズを
ヘビロテで履いておられて、
そろそろ代わりの靴を探していたタイミングで
バッグと靴のセット『ENSEMBLE de CORODN』を知り
靴『Cordon Pienus(コードン・ピエニュ)』に
出会ってくださったそうです。

その会話に、なんだかこちらが
救われる気持ちになりました。


フラットなのに、カジュアル過ぎないということ

ゆかりさんは、
最近はフラットシューズを履くことが多いけれど、
どうしてもカジュアルになりすぎることがある、
とも教えてくださりました。

その中で、
CORDON PIENUSは
フラットなのにカジュアル過ぎることなく、
でも履き心地はとてもよくて、
会社のちょっとした行事にも履いていけた。

この言葉は、
第12話で書いたことを
そのまま日常の中で受け取っていただけたようで、
とても印象に残りました。

スニーカーの楽さはほしい。
でも、足元はもう少しきれいでいたい。

その間にある一足として
作りたいと思っていた靴が、
通勤だけでなく、
少しきちんとした場面にも
自然に履いていける存在になっていたこと。

それを、
使ってくださっている方の言葉で
教えていただけたことが、
何よりありがたかったです。


服は被っても、バッグや靴は少し気分が上がるものを

最近の服は、
価格を抑えながらも
ほどよく流行が入っていて、
着回しもしやすく、
会社にも着ていけるものが多い。

でもそのため、
周りと被ることもある。

その中で、
バッグや靴やアクセサリーに
お気に入りがあると、
少し気分が上がる気がする。

本当にそうだなと思います。

服は時代の空気と一緒に
変わっていくものかもしれません。

でも、
バッグや靴、小物は、
もっと長い時間を共にするものとして
選ばれることが多いのかもしれません。

流行だけではなく、
質やデザインで選びたい。
長く使いたい。
金額だけでは決めたくない。

 

そして、
バトーエモンターニュを選んでくださる方は、
そういう感覚を持っておられる方も多いはず。

その言葉は、
確かな輪郭を持って、
胸に残りました。


ものが、その人のものになる瞬間

ものづくりをしていると、
つい「商品」として見てしまう瞬間があります。

素材のこと。
形のこと。
価格のこと。
使いやすさのこと。

もちろん、どれも大切です。

でも、実際に誰かが持ってくださって、
履いてくださって、
その人の暮らしの中に
すっと馴染んだとき、
ようやくそのものが完成するような気がします。

セットで合わせてくださった姿を見たときも、
その後のメッセージでのやりとりも
まさにそんなことを感じました。

作って終わりではない。

言葉にすると当たり前ですが、
目の前でその瞬間を
見せていただける機会は、
決して多くありません。

だからこそ、
POP UPという場所は
ただ商品を見ていただくためだけの場ではなく、
僕たちにとっても
ものづくりの意味を
あらためて教えてくれる時間なのだと思います。


会えたことが、次のことを考えるきっかけになる

メッセージの中では、
グローブホルダーのような
小物があったら、
というお話まで出てきました。

冬の通勤バッグの持ち手に
つけておられたそうで、
そんな小物もあればいいなと
ふと思われたそうです。

こういう何気ない一言が、
とても大切だと思います。

ものづくりは、
机の上だけで進んでいくものではなくて、
こうした日々の会話の中で
少しずつ視界がひらけていくことがあります。

お客様からいただく言葉に、
励まされたり、
気づかされたり、
背中を押していただいたり。

まさにそんな時間でした。


桜のあとに残るもの

満開の桜は、もちろん美しいです。

でも、今年は
桜そのものよりも、
桜のあとに残る空気のほうが
心に残った気がしています。

葉桜の公園で聞こえてきた
楽しそうな会話。
POP UPでお会いできた方々との時間。

会えたその日だけで終わらず、
そこからまた、
次のものづくりへと
気持ちがつながっていく。

そんな春だったように思います。

そしてPOP UPに足を運んでくださった皆さま、
本当にありがとうございました。

外へ出かけたくなるこの季節、
このバッグと靴を合わせて、
お出かけを楽しんでもらえると嬉しいです。

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