ENSEMBLE de CORDONの誕生秘話|職人の手仕事が紡ぐ、忙しい日常に寄り添う一足 【第2話】

ENSEMBLE de CORDONの誕生秘話|職人の手仕事が紡ぐ、忙しい日常に寄り添う一足 【第2話】

日本の丁寧は、こうして一足になりました

― ENSEMBLE de CORDON が生まれるまで ―

こんにちは。バトーエモンターニュの仁木です。

前回のブログでは、
Bateau et Montagne が
ひとつの持ち手から始まったお話をさせていただきました。

今回は、
「ENSEMBLE de CORDON」という
バッグと靴のセットが、
どのように生まれたのか。

その裏側にある、
職人たちの手仕事と、天然皮革について
少しお話ししたいと思います。


すべては、ひとつの巾着バッグから

この靴の物語は、
実は 2年前 に作った
巾着バッグ「CORDON LEATHER」から始まっています。

紐をきゅっと絞ったときに生まれる、
やわらかなシワ。
手に取ったときの、
少し力が抜けるような質感。

「この雰囲気を、
 いつか“足元”にも落とし込みたい」

巾着バッグの企画段階から、
靴を作る構想は、
ずっと心の中にありました。


革を探す、という仕事

巾着バッグを作るにあたって、
私たちは 32種類以上の革 を実際に調べました。

柔らかさ。
シワの入り方。
色の出方。
時間が経ったときの表情。

その中で選んだのが、
この イタリアンレザー(牛革) でした。

とても柔らかく、
発色が美しく、
なおかつサスティナブルな背景を持つ革。

「巾着バッグには、これがいちばん合う」

そう確信できる素材でした。

そして同時に、
「この革なら、
 靴にも使えるかもしれない」
そう思えたことも、大きな理由でした。


革は、どこも同じではありません

革は、一枚の中でも
場所によって性質がまったく違います。

背中の部分。
お腹の部分。
それぞれ、
ハリも、伸びも、表情も違う。

この繊細なイタリアンレザーを扱うには、
裁断師の目と感覚 が欠かせません。

どのパーツを、
どの位置から取るのか。

「ここは、靴の顔になる部分」
「ここは、足に一番沿う部分」

革の状態を見極めながら、
一足分ずつ、
静かに裁断が進められていきます。

靴『CORDON PIENUS(コードン ピエニュ)』のPIENUSは、フランス語「Pieds Nus」の造語になり、素足という意味を持ちます。あなたの足にそうように、「ホールカット」でかたち取っています。

一枚の革から仕立てる「ホールカット」は、装いにそっと品を添える、静かな美しさが魅力の革靴です。

傷のない大きな一枚革だけを厳選し、熟練の職人が丁寧に立体成形。

一枚革だからこそ、木型(ラスト)の美しさまでもが、そのまま佇まいに表れます。

手に取った瞬間に伝わるのは、見えない手間と時間。
流行に左右されず、長く愛せる理由が、ここにあります。


何度も作り直した、その理由

靴づくりは、
革を切って縫えば完成、
というものではありません。

特に今回の靴は、
やわらかな革を使っている分、
革が重なる部分の厚みや、
足への当たり方が、とても重要でした。

「ちゃんと、足に沿うだろうか」
「履いたときに、違和感はないだろうか」

パタンナーの方と何度も話し合い、
サンプルは3回以上 作り直しました。

正直、
簡単な道のりではありませんでした。

開発から約11ヶ月の歳月が経ちました。

それでも、
「このプロダクトで何を伝えたいのか」
「どんな履き心地であってほしいのか」

その想いを、
何度も、何度も共有しながら、
少しずつ完成形に近づけていきました。


最終工程で、考えていたこと

製造の最終工程には、
私自身も立ち会わせていただきました。

一足ずつ、
職人の手で仕上げられていく靴。

「この靴は、
 どんな人の足に届くんだろう」

そんな話をしながら、
紐を通し、
形を整え、
最後の検品が行われていきます。

箱を開けた瞬間、
思わず
「わぁ」と声が出るように。

そんな姿を思い浮かべながら、
紙の入れ方ひとつ、
袋のかけ方ひとつにも
手を抜かず仕上げていただいています。


バッグと靴を、あらかじめ揃えるということ

こうして完成した
ENSEMBLE de CORDON。

このセットには、
もうひとつ、大切にしている考え方があります。

それは、
バッグと靴を、最初から揃えておくこと

朝、
服を選んで、
最後に玄関で立ち止まる。

「今日は、どれを合わせよう」

そんな時間を、
少しだけ軽くできたら。

バッグと靴が、
同じ革で、同じ空気感で揃っているだけで、
自然と手が伸びる。

それだけで、
一日が少し整う気がしています。


日常にも、少し特別な日にも

普段のお出かけや、
何気ない用事の日。

そして、
少し背筋を伸ばしたい日。

どちらにも、
無理なく寄り添える存在であってほしい。

「いいね、それどこの?」
そんな何気ない一言が生まれるような、
静かな存在感を目指しています。


日本の丁寧を、あなたへ

ENSEMBLE de CORDONは、
流行のための靴ではありません。

たくさん作るための靴でもありません。

職人の手を通して、
時間をかけて、
ひとつずつ生まれた一足です。

この靴が、
あなたの暮らしの中で、
そっと役割を果たせたら。

そう願いながら、
今日も私たちは
ものづくりを続けています。

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